My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
「ゆっくりでいい」
「――そんな事...」
「俺は諦めない」
彼女の言葉を遮って、言葉を落とす
諦めたくない
本当にそう思うから
初めて会った時から思っていた
何か深い闇に囚われた彼女
まるで雪の結晶の様に触れたら消えてしまいそうに儚く
寂しさに満ちた、その姿
彼女を知れば知るほど、思う
何が彼女をそうさせたのか
どうしたら、本当の姿が見れるのか
笑顔を取り戻してくれるのか――