My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
時の庭
「ふぁ…」
不意に出た欠伸を噛みしめながら、天を仰ぐ
うっすらと目を開ければ眩しい太陽と、どこまでも続く青空が広がっている
そのあまりの眩しさに目の奥が痛んで、もう一度強く瞳を閉じる
どこかボーっとした頭では、動き1つ1つがカメの様にノロノロしている
――毎日夜遅くまで起きているせいか、ここ最近は昼間の眠気がすごい
気を抜けば、欠伸が止まらなくなる
その気になれば昼間はずっと眠っていられそうだけど
そんな生活はダメだと思い、体に鞭を打って王宮から少し離れた、この湖まで来ていた
目の前には広大な滝が辺り一面から流れ落ちる
俺の一番、好きな場所だ