My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ

時の庭





「ふぁ…」




不意に出た欠伸を噛みしめながら、天を仰ぐ

うっすらと目を開ければ眩しい太陽と、どこまでも続く青空が広がっている



そのあまりの眩しさに目の奥が痛んで、もう一度強く瞳を閉じる

どこかボーっとした頭では、動き1つ1つがカメの様にノロノロしている




――毎日夜遅くまで起きているせいか、ここ最近は昼間の眠気がすごい

気を抜けば、欠伸が止まらなくなる




その気になれば昼間はずっと眠っていられそうだけど

そんな生活はダメだと思い、体に鞭を打って王宮から少し離れた、この湖まで来ていた



目の前には広大な滝が辺り一面から流れ落ちる



俺の一番、好きな場所だ



< 234 / 304 >

この作品をシェア

pagetop