My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
星屑の様に美しい銀色の髪が揺れる
そして、しばらく立ってから閉ざされていた口がゆっくりと開いた
「ほぼ、この国は元のアネモスに戻った。ガスパルの残党も、残り数えるほどしかいない」
目の前に流れる滝を見つめて、そう言うホリス
その視線を追って、俺も視線を前に向ける
生い茂る緑
惜しみも無く流れる水
溢れる光
遥か昔から守られ続けてきた、光の国
今見ている景色は、代々受け継がれてきた
民達の、この国を愛する想いだ
「だが―――」
不意にそんな声が落ちた
言葉を切ったホリスにゆっくりと視線を向ける