My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
「皆、ここを『時の庭』と呼ぶ」
「時の庭...」
彼女の言葉を聞いて、確かにと思う。
淡い光を放つ、この花も
その中に立つ、ソフィアも
まるで、時の流れを切り取った様に美しい
夢か現実か分からない程に―――
「美しい…」
きっと世界中探しても、こんなにも美しい景色はない
こんなに心が動かされる景色はない
目を細めた俺を見て、嬉しそうに柔らかく微笑んだ彼女
その姿が、俺の胸を締め付ける
「これが見せたかったのだ」
一面に広がる花畑を見つめて、もう一度そう言った彼女
その視線を追って、世界を見渡す
息も忘れる程美しい景色を見て思う
やはり、ここは光の国だと
美しの国だと