My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
俺の姿をまるで子供の様に見つめる彼女
大きな瞳が、今か今かと俺の言葉を待っている
その姿に微笑みながら、以前グレイスに連れて行ってもらった市場を思い出す
美しい景色の中に飛び交う、明るい声
笑顔に溢れた、民――
「活気に溢れた、いい国だ」
そう言った瞬間、ソフィアが嬉しそうに微笑む
そうか。と何度も言った後、空を見上げた
「皆、レイア姫の為だと言っていた」
「――え?」
小さくそう呟いた俺の言葉に驚いた様に、視線を俺に戻すソフィア
その瞳が一度大きく開かれて
そして、ゆっくりと細められた