My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
「――・・・とても、明るい御方だった」
しばらく黙り込んでいたソフィアが、ゆっくりと口を開く
その今にも消えそうな声を聞き逃すまいと、彼女の声に集中する
「でも、あの戦で...変わられた」
「――ガスパル」
俺の言葉にコクンと頷いたソフィア
その美しい頬に、長い睫毛の影が落ちる
この国の民が皆口を揃えて、言う
『レイア姫の心は凍ってしまわれた』
ある日訪れた、王国の悲劇
美しく、平和なこの国を滅ぼそうと現れたガスパル
悪魔の国