My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ







カチャ




磨き終えた剣を太陽にかざす

キラリと光る銀が瞳の奥に痛みを残す




「よし。」




頷いて、剣をおさめる



まだ日が天に輝いている時間

彼女と太陽の下で会うのは、初めてだ




『太陽が真上に上った時、ここで待っている』




昨日の夜、ソフィアと交わした約束

彼女の『頼み』の為の




「そろそろか」




眩しく輝く太陽に目をしかめながら、そう呟く




高鳴る心を―――隠して




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