My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
銀色の髪の男をじっと見つめて、そう言う
周りの男達は、美しい顔を崩す事なく
ゆっくりと剣を下ろした俺の姿を見つめている
「いかにも」
そして、俺の言葉に答える様に
銀色の髪の男が、まるで歌を奏でる様に言葉を落とした
――父さんの言っていた言葉の意味が、やっと分かった
光の国、アネモス
名前の通り、光に溢れた美しい国
そして、そこに住む一族は皆、見た事も無い程美しい姿形をしていると聞く
しかし、美しい噂とは別に
様々な噂も飛び交う