My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
王国の守護を任されている、俺の一族
それは遥か昔の時代から、変わる事なく受け継がれている
だから必然的に、俺も幼い頃から剣術や体術を身につけた
今では、この国一の騎士と謳われるようにまでなった
俺達一族は王国に攻めてくる国々から国を守る事が使命だ
また、我が国と同盟を結んでいる他国が助けを求めれば、援軍として向かう
戦が無い時は、陛下の側でその身をお守りしているが
最近は他の国での戦が多く、王国に帰ってきたのは久しぶりだ
「また後で詳しく話を聞こう―――おいでだ」
足音を聞きつけた父が、一気に表情を変え
すっと片足を引いて、頭を下げた
床に広がった父の深いオリーブ色のローブを見届けてから
俺も同じ様に、膝を折って平伏す