番外編・闇龍~クリスマスversion~
美「アダムとイブってわかる?」

『あれだろ?神様が最初に作った人間』

美「うん。

そのアダムとイブが食べた禁断の果実。

それなんだって」

『そっか。しらなかったな』

禁断の果実…か。




美海は手に持ったそれをジッと見つめると。

そっと目を閉じ、それに静かに口づけた。

まるで、一枚の絵のように。

息を呑むほどに綺麗だった。

美海は、いたずらっ子のように

こちらを向いてニッと笑った。

でも、そのあとすぐにツリーへと視線を移し、

少し切なげに微笑んだ。




禁断の知恵の果実。

もしそれがこの世にあったとしたら。

俺はなにを得たいんだろうか。

美海の横顔を見つめながら、

俺は自分の胸が締めつけられるのを感じた。
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