秘密な蜜愛
「お待たせ致しました。どうぞお入りください。」
「は、はい。」
ニッコリと柔らかく微笑むスタッフの声に、一息入れ、俺はその腰を上げた。
季節はもう肌寒いのに。ジワリと湿る手のひらは俺の緊張を表し、慌ててズボンにソレを擦りつける。
目の前にある、真っ白なドア。
女性スタッフが開いたその先に向けて、俺は足を進ませた。
「あ…、涼。」
そう呟き、可愛らしい笑顔を向ける彼女。。いや、今日から俺の奥さんになるユマ。
真っ白なドレスに包まれたその姿は、今までで一番綺麗で凄く可愛らしい。
恥ずかしいのか、「へへへ」と照れたように笑う顔が、ピンク色に染まる。
「ユマ。すごいね。とっても綺麗だ。」
「涼こそ。似合ってるよ。」
そんな俺達のやり取りを、微笑みながら見つめるスタッフ。
待ちに待ったこの日がついに来たのかと思うと、更に緊張するのが分かった。