詩集

春の風邪

春の風邪を

ひいてしまった


桜の花は
まだ咲いていた


僕はその下で待ちぼうけ

君がくるのを
待ちぼうけ


桜の木の下
風が吹く

ちょっと冷たい
春先の風

薄着の僕は
くしゃみする


春の僕は
待ちぼうけ

君をいつまでも
待ちぼうけ
桜吹雪のその中で

来る宛のない君を待つ


熱っぽさは
君のせいかな

それとも
春の風邪なのか


めまいの中で
君をみる

幻影のような君をみる

熱っぽさは
君のせいかな

それとも
春の風邪なのか


めまいの中で夢をみる

淡い君の夢をみる