144のカウントダウン
4日目
第12話〜動き出す関係〜
今日はいつもより涼しい。
太陽の光が木々に反射してまぶしい・・・。
良い天気だ。
今日は理央と下校。
今日は花音ちゃんと合わなかった。と言うより会えなかった。顔を合わせられない。
光とも、会ってない。
そして、さっきから沈黙が続いている。
なかなか話すことが出来ない。
理央!なんかしゃべってよ!気まずいじゃんか!
あ――!
「ねえ、理央。」
「ん?」
「昨日は聞きそびれちゃったんだけど、どうして光に盗聴器なんて仕掛けられたの?」
「え・・・。」
「いつ仕掛けたの?」
理央が気まずそうな顔をする。
モット気になる。
「あー。アレ?」
「・・・。」
「怒んなよ?」
「そうゆう内容なワケ?」
「いや、人によっては・・・。」
「まあいいよ。話して?」
「・・・。実はな?」
「うん・・・?」
理央の声は冷静。だが、どこかぎこちない。
やっぱり、今日は良い天気だ。
しかし、天気とアタシの機嫌は全くといっていいほど関係ない。
「光と理央がグルだったぁ~!?」
「ま・・・。」
理央が『まあな。』言ってしまわない内にアタシは――!
「じゃあ、アタシの演技、意味なかったのぉ!?」
「ごめ・・・。」
「アタシの罪悪感はなんだったのお!?」
「わり・・・。」
「アタシをだましたのお!?」
「いや、そうゆうわけじゃ・・・。」
いま、アタシは超不機嫌。
だまされた。
無駄なことさせられたんだ。
「違うって。」
「なにがよ。」
「お前は、花音の告白についてくつもりだったんだろ?」
「だからなによ。」
「万が一、光が俺についてきてんのをお前が見つけたら、お前どうする?」
「そんなの・・・。」
「花音に忠告するだろ?告白みられたら、光に告れなくなる。失礼になる。って。」
「そうだけど・・・。」
「俺にはそれが邪魔だったんだ。」
今言われてみれば、そうかもしれない。
「でも、だとしても、グルだってことぐらい教えてくれたっていいじゃんか。」
「そしたら、お前大根演技をおっぱじめるだろ?」
「・・・。」
「だから、教えたうえで花音と出くわすのはマズイ。火曜に花音と登校させるのもできれば
さけたかったが、そしたら逆に不自然。」
「そっか。」
理央の頭って、驚くほど先をよんでるな。
「でも、理央はカノちゃんの告白、どうしてOKしなかったの?」
「それは、光が・・・。」
「わかってるけど。他に、理由ないの?」
爽やかな風が体をすり抜けていく。
太陽の日差しがまぶしい。
でも、理央の声はしっかり。
しっかりと聞こえている――。
「俺は咲来が好きだし。」
気が付けば、ここはあの日の神社の前。
ここでアタシは理央にときめいていた。
アタシ達は両想いだったんだ。