桜の木の下で


メールの内容は


『何処でサボってんだ?』

やはりあいつにはお見通しか


『空、近い』


簡潔で訳の解らないと他人は言うだろう


だけど私たちはこれで十分に通じ合える



しばらくすると屋上の扉が開いた音が響いた


そこには私の全ての黒を閉じ込めたような漆黒の髪とは対照的に光に照らされてキラキラ輝いている白い髪の少年のような少女が立っている


「紫露<シロ>発見。」


ニカッと彼女狗鷺<クロ>は笑う
私は狗鷺に微笑む


「よく解ったね。」

「当たり前だろ?何年親友やってると思ってんだ?」

「産まれてから。」


その答えに狗鷺は笑う

狗鷺の髪あいかわらず綺麗だな

ポツリと呟いた
その呟きが聞こえていたらしく


「紫露の髪のが綺麗だよ、今時お前みたいな色の髪なんてないぜ?俺のは脱色しただけなんだから。」

「そうなの?」

「あぁ。」


本当かな
自分じゃあよくわからない
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