ブラッドサースティ・キラー
「大丈夫ですか?」
聞き覚えのない声がした。
僕はゆっくりと目を開け、上半身を起こした。
僕に声をかけてきた人は、救急隊のうちの1人のようだった。
辺りを見渡し、僕は吐き気に見舞われる。
……真っ赤だった。
僕の身の回り、すべて、真っ赤だった。
「うっ……」
「意識はハッキリしていますか?」
「は……い」
さっきまで何があったのか、どうして僕がここに倒れているのかも理解できる。
けれど、この赤は何……?僕が気を失う前に、何があったの……?
「私達は通報を受けて来ました。大丈夫ですか?」
「はい……。あの、これは……?」
ちらりと、再び真っ赤に染まった方を見る。
その質問に対して答えてくれたのは、警察の人だった。