ブラッドサースティ・キラー
「……そうか」


 切なそうに顔を歪ませる男性。

 でも、そんな顔をされても、僕はあなたを知らないわけだし、正直、反応に困るんだけれど……。


「俺は、那ヶ真 涼紀(なかま りょうき)。18」

「あっ、僕は……」

「新野皐月、だろ。知ってる」

「!」


 那ヶ真涼紀と名乗ったこの人は、どうして僕の名前を知っているのだろう?

 18歳……ということは僕より1つ年上の先輩ということになる。

 僕は親しい先輩なんていないし、仮にいたとしても那ヶ真涼紀という名前は聞いたことがない。

 僕が那ヶ真先輩を知らなくて、那ヶ真先輩が僕を知っている……?

 もしかして、生意気な後輩だとか思われて、目をつけられてしまったのだろうか……?!
< 21 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop