ブラッドサースティ・キラー
「殺人衝動っての?人を殺したくて殺したくてうずうずしてるァ……」

「えっ……」

「今日、この病院内で誰かを殺す。ヒヒッ、楽しみだなァ?楽しみで楽しみで……心臓が踊り狂っちまうよ」

「そんなのっ、ダメだ!人を殺すなんて……」

「お前に指図される覚えはない」


 その瞬間、首元に当てがわれていた冷たい何か――おそらくナイフ――は引き、声もしなくなった。

 おそるおそる顔をあげ、鏡を見るけれど、そこには真っ青な顔をした僕しかうつっていなかった。

 ……どこかへと去って行ったのだろうか?

 自由の身になれたことに安堵の息を吐き、僕は後ろを振り返った。

 すると、足元に、殺人鬼なる人物が落としていったのか、ナイフが落ちていた。
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