ブラッドサースティ・キラー
 自分の病室に戻った僕は、ベッドの上で寝転がった。

 拾ったナイフは頭の横の棚の上に置く。なんだこれはと問われたところで、果物を切るナイフだと言えば特に問題はないだろう。

 しかし……このナイフで人を殺したのだとしたならば、なんだか気味が悪いな。

 かといって思わず拾ってしまったし、あのまま置きっぱなしにするのもまずいように思えたし……。

 ……ナイフのことはいったん置いておこう。

 それよりも気になるのは、殺人鬼なる人物が言っていた言葉だ。

 今日、病院内で誰かを殺す……とかなんとか。

 本当なのだろうか?

 そうだとしたならば、誰かに報告――したところで、無駄か。

 頭のおかしい少年だと思われて終いだな。
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