ブラッドサースティ・キラー
 順番に扉を開けていき、僕はやっとの思いで望んでいた“それら”に出くわした。

 父さんと美月姉さんだ。

 寝室で倒れている2人は、2人とも、倒れたまま、動かない。


「うわあぁぁぁあっ!!!」


 2人とも、死んでいた。

 父さんは四肢バラバラにされて死んでおり、美月姉さんは首を掻き切られて死んでいた。

 2人とも白目を向いており、口や耳、鼻からも血を流している。

 父さんに限っては切られた四肢から肉や骨が剥き出しになっていた。

 僕はその場で嘔吐した。

 無意識のうちに涙が溢れ出て、口の中は酸っぱく感じられた。

 ガチガチと震え出して、視点が定まらない。

 ガチガチ。ガタガタ。


「なんで!なんで!なんでなんでなんで!なんでなんだよぉ……っ!!!」


 3人とも何も悪いことはしていないのに、どうしてこんなことになってしまったのだろう。
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