ブラッドサースティ・キラー
「分かってるから……メガネをかけた人は皐月を守りたいから、皐月は俺ん家に連れて来られたんだ。そうだろ?」

「そう……なんだろうけれど……。あっ、警察の方、何か言ってきた?」

「来たけど……皐月は寝てますって言ったらまた明日くるってよ」

「そっか。ごめんね、迷惑かけて」

「なーに、気にしてないさ」


 ニカッと歯を見せて笑う大地に、僕は少しだけ救われたような気がした。

 でも、家族みんなが殺されたのは事実で、僕はまた気持ちが暗くなるのを感じる。

 だめだ。いつまでもこのままじゃだめだ。明るく、前向きでいないといけないのに……。


「無理すんな」

「えっ?」

「泣きたい時は泣いていいんだ、皐月」

「大地……。ありがとう」


 僕は大地が親友でよかったと、心の底からそう思ったんだ。
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