ブラッドサースティ・キラー
 ベッドの上からおり、知り尽くした大地の家の中を自分の家のように歩いていく。

 廊下の突き当たりにある扉を開け、リビングに入った。

 入った瞬間、キッチンの方からリズミカルに食材を切る音が聴こえた。


「おはようございます、おばさん」

「あら~、皐月ちゃん。おはよう」

「あの……一晩泊めてもらって、ありがとうございます」

「いいのよ~。自分の家のように思ってくれていいからねっ!好きなだけ泊まっていってちょうだい」


 おばさんは振り返り、にこりと微笑んだ。

 おばさんやおじさんは僕の家族が殺されたことを知っている……んだよね。

 こんな微笑みを見せてくれるのは、僕の気持ちが暗くならないようにするためだろうか。

 だとしたら、尚更感謝しないと。

 僕が小さい頃からおばさんやおじさんに世話になっているから、本当にありがたいと思っている。
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