ブラッドサースティ・キラー
「ってことは……」

「うん?」


 大地がキラキラした目で僕の方を向いた。


「今日は一日中皐月と一緒だー!よっしゃー!」

「宿題、ちゃんとしなさいよ」

「うぐ。母さん、今それを言うか……」

「どれ、俺が見てやろう」


 ずいっと話に入ってきたおじさんが、自分の胸に手を当てて誇らしげに言う。

 しかし、それを見た大地がすかさず突っ込んだ。


「この前、親父に見せたとこ、全部間違っていたじゃねぇーか!」

「マジでか?!」


 わいわいと会話をしている志田家に、僕はぽかんと口を開けた。

 完全に僕のことおいてきぼり……というか、本当に楽しそうに会話するなぁ。

 僕の家族は……ちょっと冷めていたところがあったからなぁ……。

 過去を思い出し、少し泣きそうになるのをグッと堪えた。
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