ブラッドサースティ・キラー
 血生臭いにおいが鼻をつき、目を覚ます。

 そこはまぎれもない大地の家――……っ!!!

 僕は、目の前の光景が、信じられなかった。

 無意識のうちに浅い呼吸を繰り返し、目には涙が溢れ出る。

 おばさんとおじさんが、病院で拾ったあのナイフで切り殺されていた。

 床に落ちているそのナイフは、真っ赤に染まっててらてらと光っている。

 まただ。

 また、僕だけ生きている。

 殺人鬼の目的が分からない。

 どうして僕にとって大切な人達を殺していくのだろう。


「はは……は……」


 無意識のうちに笑みが零れた。

 なんかもう、どうでもいいや。

 疲れちゃった……。

 殺人鬼の目的なんて、どうして僕なのかなんて、もう、どうでもいいや。

 何もかも。

 どうでもいいや。
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