ブラッドサースティ・キラー
 忘れ物を取りに来たのに、3年生の教室がある3階にいるのもおかしな話だけれど……みんなは何も突っ込まなかった。


「俺らは肝試し!」

「音楽室の噂を確かめにきたんだけど……」

「なんも聴こえねぇな」


 さっきピアノが鳴っていたけどね、とは言わなかった。

 変に色々と突っ込まれたくなかったし、今は一刻も早くこの場から去りたかったから……。


「ん?」


 クラスメートのひとりが不思議そうに顔をかしげ、持っていた懐中電灯の光を僕の身体に当てた。


「なに?これ」


 みんなが僕の身体を見る。

 僕も自分の身体を見下ろす。

 そこには、大地の血が付着していた。倒れた大地に駆け寄った時についた血だろう。

 僕はそれを見て、顔が真っ青になるのが分かった。
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