ブラッドサースティ・キラー
 涼紀は1つ年上の先輩にして、俺の殺人鬼仲間だ。

 ――そう。

 彼もまた、殺人鬼だった。


「いきなり平凡な学生を演じると言った時はどうしようかと思ったぞ」

「悪かったって。――人生の数年しかない“学生”ってヤツをよォ、演じてでもいいから味わってみたかったんだよ」


 普段通りに生活していたら、絶対に我慢出来ずに誰かを殺してしまうから。

 まァ、結果的にィ?

 殺人衝動が抑えられず、我慢出来ずに素に戻り、他人から家族、親友の一家を滅ぼしちまった結果に終わったが。

 ……悲しいという感情は、ない。

 “誰かを殺したい”という自分の欲求が叶えられ、むしろ――キモチイイ。
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