ブラッドサースティ・キラー
「あっ……それとだな、警察のことなんだが」

「俺が演じていた“僕”の時に、なんらかのミスを犯したか?」

「まあ。数人の遺体に触れた」

「マジかよ」


 まさか“僕”の時でも、思わず遺体に触れるほど血が好きだとはなァ……。

 俺は“僕”を演じきれていなかったということだろうか?


「――まっ、なんとかなるだろ」


 軽く言う。

 すると、涼紀が不思議そうな顔をして俺を見つめた。

 そんな涼紀に、俺は自信ありげにニタリと笑う。


「――俺達を疑う奴ら全員、次々に殺していきゃァいいのさ」

「……それもそうだな」


 月夜の教室の中で、ニタリと笑う殺人鬼が、確かにそこに2人いた。


「――さァ、」


 血塗れた自らの服をそのままに、俺達は夜の町へと飛び出した。

 次の人間を殺すために。
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