フェアリーカンタービレ
しばらく、アニアはラミアスとこの国について語った。


「アニアはこの国の人か?」



ラミアスは楽しそうに聞く。



「違うわ。」



アニアの答えにラミアスは驚いた。



「そうか。じゃあ、この国は他国のものからしてどう見えるんだ?」



少し、アニアは考えて答える。




「活発な国だと思うわ。」



アニアの答えにラミアスは満足そうに頷く。




そして、意を決したように真剣な眼差しでアニアに訪ねる。



「アニアはこの国の人じゃないんだよな?」




そんなラミアスを



「ええ。」


不思議に思いながら答えるアニア。



「じゃあ、どうして妖精と契約しているんだ?」




「……。」





鋭い……。




アニアは必死に考えた。




ラミアスはきっと偉い人ね。



だって、頭が並みよりは優れている.……。




でも……。





「実は、この国に来たのは妖精と「おはよう!!!ラミアス!アニア!ほっとかないでよ!いつの間にか起きてから一時間じゃん!」




アニアの言葉はシンシアに遮られた。




シンシア.……。



アニアとラミアスは同時に思う。




こいつ、ある意味でKYだ(わ)。




ラミアスは少し戸惑って答えた。



「あ…、ああ。おはよう、シンシア。朝から元気だね.……。」



アニアの肝心なところが聞けなかった.……。




ラミアスはちらりとアニアを見る。



シンシアに説教をしている。



表情は、半分は怒っていて、半分は.……。




ほっとしている。




何か、嘘をついている。



俺に知られたくないことか.……。




アニアが反省をしているシンシアに荷物の準備を告げる。



そして、こちらを向く。



「ごめんね。悪いんだけど、もう出発できるかしら?」




俺は、アニアににこりと笑顔を向けて答える。



「いいよ。じゃあ、行こうか。ミカドを起こしてくる。」




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