フェアリーカンタービレ
アニアはバリア魔法がつまっている装置のスイッチをつけた。



すると、ゴゴゴゴゴという地鳴りがして門が開いた。



ラミアスとシンシアは地鳴りによって我にかえり、お互いに距離を取った。


相変わらずシンシアは顔が真っ赤である。


ラミアスは立ち上がり、シンシアの手を取った。



「立てるか?」



シンシアは嬉しそうにラミアスの手を取り、立ち上がった。



ラミアスはシンシアが立ち上がったのを見届けると、さっとアニアのほうへ行った。


一人になったシンシアは何も言わずにラミアスを追った。



アニアは満円の笑みで


「やっぱり!!!」



と叫び、ミカドの手から装置を取り上げ、バックにしまった。



ミカドはアニアに嫌悪感を覚えた。


しかし、それは一瞬だった。


だんだんアニアが何かに狂ったように執着している科学者に見えてきた。


他人のことを考えられない天才。



アニアは天才なのかもしれない。



そんなことが頭によぎりミカドはアニアの存在を不思議に思った。



何で、女王様に会うことができたんだ?


たかが、人間の一般人が。



俺でも会うのは百年に一回ほどなのに。




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