恋色青空
学校からバスで30分の場所に
ぽつんと建つバス停。
都会とはかけ離れた
森林が生い茂るような場所で
もちろんコンビニなどもどこにも見当たらない。
由紀の打ち上げに行く前にどうしても寄っておきたかった場所。
「勇太。またきたよ。」
今日は勇太がいなくなって一年が経った日。
月日が流れるのは思ったより早いもので
気づけばもう私は高校二年生になっていた。
―――…勇太が今生きていたら私と同じ高校二年生になってる。
「私ね、テスト頑張ったんだよ。あともう少し頑張れば希望の大学に行けそう。」
話しかけても何も返事が返ってくるわけでもない。
だけどいつも期待してしまう。また勇太がひょっこり帰ってくるんじゃないかって。
いくら願っても届かない想いなのに。
そして、一通り勇太に報告が終わったら私はバス停のところに
いつもと同じ¨スイセン¨の黄色の花をお供えした。
スイセンの花言葉は¨私のもとへ帰って¨
今の私の気持ちと同じ心境。
「勇太。またくるね。それまで待っててね?」
最後にそれだけを言い残して私は静かにその場をあとにした。