花嫁指南学校
「あの」
理香が初谷にたずねた。
「今日はテストみたいなことはやらないんですか」
「あ、テストね」
初谷は我に返った。
「それは特に今は必要じゃないよ」
そんなものを受けたところで、理香には大したことはできないだろう。
「それより今日は君に芝居を見せてあげようと思うんだ」
「お芝居?」
「うん、君は芝居に興味があると言っただろう。僕の事務所には劇団の俳優もいっぱい所属しているんだ。この下北沢には彼らの劇団があって、これから公演が始まるから一緒に見にいこうと思うんだよ。きっといい勉強になるよ」
「わかりました。あたし、是非そのお芝居を見せていただきたいです!」
理香ははきはきと返事をする。