花嫁指南学校
 初め、優二は医師の友人に誘われ、興味本位でカメリアのお見合いパーティーに出席した。その時のパーティーは医師や歯科医師などの医療関係者の男性を対象としていた。

 ベイエリアの高級ホテルで開催されたパーティーには、カメリア女子短期大学の家政学部の学生が何十人も参加していた。なにしろ二十歳の娘といえば花の盛りにある。その年頃においては十人並みの容姿の娘でさえ輝いているものだが、彼女たちは選りすぐられた美女の集団である。優二と友人はあたかも桃源郷に迷い込んだかのような感覚に陥った。テレビに出ているアイドルグループより可愛くて品のある少女たちの姿に、少壮の男たちの目は眩んだ。

 彼らは「すげえ。すげえ」とつぶやきながらホールを徘徊した。そこには男性の様々なニーズに応えるべく、あらゆるタイプの美女が並んでいた。身長が低いのがコンプレックスの友人は、モデルのように長身で手足の長い美女に目を奪われた。彼は優二から離れると、スーッと彼女の方に引き寄せられていく。パーティーには彼らの他にも多くのエグゼクティブが参加していたので、友人は他の男に先を越されまいと目ぼしい女性にアプローチを試みた。
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