物語と人形
物語
とあるところに少女が居た。
その少女は金色の髪と銀色の目を持っていた。
背中には蒼い翼。
赤い唇に白い肌。
まるで、人形のような少女だ。
その少女は教会の聖女として“ここから出てはいけない”という掟を生まれながらにして守っていた。
ある日、一人の男が現れた。
その背には漆黒の翼。
両目は紅く、一目で悪魔族だと解った。
“悪魔と天使は触れ合ってはいけない”
そういう考えが蔓延っている。
彼は言った。
『外は危険だが、綺麗なものも沢山ある。』
少女は男の手に引かれ、教会を出た。
長らくの逃亡の末、教会からの追っ手が彼を捕らえた。
少女は言った。
『わたしがすべて、うけおいましょう。』
悪魔の命と引換えに、少女の翼は奪われた。
翼が無くなった少女の髪は金色から漆黒に変わっていた。
そして、聖女として、再び、元の生活に戻った。
それから幾日かした。
あれ以来、二度と男には会えなかった。
そんな時、教会が異形の集団に襲われた。
教会は灰と化した。
そして、少女は宛もなく、唯、呆然とするしかなかった。
引き取り手も、身寄りもない。
やがて、奴隷市場の売人が連れ去り、買われ、今に至る。
その少女は金色の髪と銀色の目を持っていた。
背中には蒼い翼。
赤い唇に白い肌。
まるで、人形のような少女だ。
その少女は教会の聖女として“ここから出てはいけない”という掟を生まれながらにして守っていた。
ある日、一人の男が現れた。
その背には漆黒の翼。
両目は紅く、一目で悪魔族だと解った。
“悪魔と天使は触れ合ってはいけない”
そういう考えが蔓延っている。
彼は言った。
『外は危険だが、綺麗なものも沢山ある。』
少女は男の手に引かれ、教会を出た。
長らくの逃亡の末、教会からの追っ手が彼を捕らえた。
少女は言った。
『わたしがすべて、うけおいましょう。』
悪魔の命と引換えに、少女の翼は奪われた。
翼が無くなった少女の髪は金色から漆黒に変わっていた。
そして、聖女として、再び、元の生活に戻った。
それから幾日かした。
あれ以来、二度と男には会えなかった。
そんな時、教会が異形の集団に襲われた。
教会は灰と化した。
そして、少女は宛もなく、唯、呆然とするしかなかった。
引き取り手も、身寄りもない。
やがて、奴隷市場の売人が連れ去り、買われ、今に至る。