キスから始まるセカンドラブ
奈々のいない空間を見渡して苦笑を漏らす。いつかはこうなることはわかっていたのに。

それでもそのいつかが来るまでは偽りの恋人でも一緒にいたかったんだ。



少し寝るかな。いらねえ体力も使ったし。シャワーして寝ちまおう。寝室に向かう。奈々が嬉しそうに選んだダブルベット。兄貴との同棲生活本当に楽しみにしてたんだろうな。



ドアノブに手を掛けようとすると微かに音が聞こえてきた。まるで涙を堪えてるような啜り泣きのようで俺は勢いよくそのドアを開けた。

< 109 / 164 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop