キスから始まるセカンドラブ
「・・・早苗さん、あの・・・」



今のこの状況を聞いてもらおうとして口を開いた時だった。早苗さんの顔が強張る。



「・・・西田さん」



ポツリと呟いた早苗さん。私も恐る恐る顔を上げるとそこに血相を変えた西田さん。彼が私に花を贈る人。


たとえ、引っ越したとしても確実に職場は分かっているのにしばらく出張で来れないとの言葉に油断してしまっていた。



同棲を始める日を記念日にできたのは本当に幸いだと思った。


西田さんは2月のはじめにやってきてしばらく来られないからと私にバラの花束を依頼してきたんだ。そしてやはりその花束は私の家の前に置かれていた。
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