天才博士の恋愛理論
「指にはできないけど、私はずっとつけてるよ?」
「あ…」
すると、棗くんは嬉しそうに顔を綻ばせると、自分も首元からチェーンを取り出して見せてくる。
学校にはお互いにつけていくことはできない。
だけど、こうやって私たちはお互いにきちんとつけている。
「私は棗くんの奥さんでしょ?」
「うん!」
満面の笑みを浮かべる棗くんに、私は「冷めちゃうから、ご飯食べよう」と声をかける。
「そうだね。僕の好きなものばかりだし。僕、瑞穂と結婚できて幸せ」
この男は、また………
甘くストレートなセリフを吐き出したかと思うと、「いただきます」と手を合わせて、大好きな豚の生姜焼きを箸できれいにはさみ、食べる。
「美味しいよ、瑞穂」
満面の笑みを浮かべられて、作ってよかった~…と素直に思う。