チャット恋愛注意報!!(旧)
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……
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そんなこんなで、私たちはユージの家へと向かった。
電車で約1時間の旅だ。
私の住んでいる町とは全然景色が違っていて、建物の感じもどこか違うような気がする。
「ここ」
と言ってユージが示した家は、まだ新しめに見える。
まぁ、近くにある家が古い民家ばかりだから新しく見えるのかもしれないけど……。
「ただいまー」
なんの躊躇いもなく玄関を開けるユージ。
「おかえりー。あ、いらっしゃーい」
優しそうな女性が出迎え、私とYUKIを見る。
『こんばんは』と微笑んで頭を下げるYUKIにつられ、私も頭を下げる。
「三原 桜子さんと、雪村 秀一さん。 さっきメールした通り、今日泊まるから」
「はいはい、準備してたわよー」
電車に乗る前、ユージはお母さんに連絡をしていたため……私たちが来ることを知っていたようだ。
「桜子ちゃんはお姉ちゃんの部屋使ってね。 何かされそうになったら大声出すのよー? すぐ飛んでいくからっ」
「あっ……はいっ……!!」
ニコッと笑うお母さん。
あ……笑った顔、ユージにそっくり。
「ご飯は? 部屋で食べる?」
「うん、色々話したいからそうする」
「桜子ちゃんに変なことしちゃダメよー?」
「しないよ」
私と話す時よりも、ユージの声の感じが柔らかい気がする。
ううん、これが普段のユージってことかな?
私と話す時は、チャット寄りのユージってことなのかも。
「先2階行ってて、ご飯持ってくから。 俺の部屋、突き当たり」
「あ、了解ですっ……」
ニコッと笑うユージにコクコクと頷き、そのあ
とにYUKIとともに2階へと向かった。