チャット恋愛注意報!!(旧)
「メールに全部書けばいい。 何も反応がなかったとしても、それでも伝えるべきだよ。
ユキさんの言葉に応えたいのなら、YUKIは自分に出来ることをすればいい。 迷わずにさ、全部言っちゃえばいいんだよ」
ユージは、笑っていた。
『悩む必要なんかないじゃん』って言って、『俺らが居るだろ?』とYUKIの肩を叩く。
「フジヤマに無視されたとしても、俺とサクラはそばに居る。 俺たちがユキさんに会いに行くよ」
「ユージ……」
「ユキさんに会ったことはないけどさ、いつもチャットしてた【YUKI】はユキさんと変わらないんだろ?
だったらもう、俺たち友達じゃん。 ずっと一緒に過ごしてきた仲間じゃん」
友達。 仲間。
そうだ。 私たちは、『高校生ルーム8』で過ごしてきた仲間なんだ。
「YUKI。 ユキさんが『会いたい』って言ってるのなら、そのために出来ることをなんでもするべきだと思う。
フジヤマが居ないとしても……それでも私たちは、ユキさんのそばに居るよ」
「サクラの言う通りだよ。 だからYUKI、フジヤマにメールして。 全部話して、前へ進もう」
私とユージ、それぞれの顔を見つめたあとにYUKIはふっと笑って頭を掻く。
『参ったな……』と小さく言って。
「……これじゃあ、どっちが年上だかわかんないな」
その言葉のあと、YUKIはメガネをクイッと直してから携帯を取り出した。
口元には笑みを浮かべていたけれど、瞳は真剣で。
そして次に放たれた言葉もまた、真っ直ぐで、真剣なものだった。
「全部言う。 もう隠すのは終わりだ」
決意したYUKIの声に、私とユージは視線を交わしたあと、それぞれに頷いた。