チャット恋愛注意報!!(旧)


荒らしをしてたフジヤマに、ユキさんが声を……。




『前にさ、俺『高校生ルーム8』で荒らしを撃退したじゃん?
あんな感じでさ、ユキが俺に話しかけてきたわけ。
当時はまだフジヤマじゃなかったから、ユキは俺に気付いてないと思うけどね』




……あの時のフジヤマみたいに、ユキさんは荒らしと普通に会話をしたんだ。

フジヤマのアレはユキさんの模倣。……ってことかな?




『俺さ、ユキのこと『ウザい』とか『キモい』とか思ったんだ。 でも、荒らしてる俺の方がよっぽどキモいしウザい。
その時にさ、『あ、俺最低じゃん』って初めて気付いた。 気付くの遅いっつーにね』

「……それで、荒らしを辞めたの……?」

『うん。 名前変えて、ユキとチャットして色々笑い合った。 と言っても、すぐに今みたいになれたわけじゃないけどね。
相変わらず俺はひねくれ者で、『どうせ俺のこと馬鹿にしてんだろ』とか『なんも知らねーくせによく言うわ』とか思ってたはず。
当時のことはもう忘れた。つーか、思い出したくないから記憶を封印中』

「……そっか」




きっと、色々あったんだ。

私の知らないこと、いっぱいあったんだ……。




『多分、言葉にも現れてたかもな。 『w(笑い)』をつけてごまかしてたけど、トゲトゲしい言葉ばっかりだったと思う』

「……それでもユキさんは、そばに居てくれたんだね」

『うん、ずっとそばに居てくれた。 一緒に居られることが嬉しくて、楽しくて……いつからか俺は、自然と笑うことが出来ていた』




……今のフジヤマを作ったのは、ユキさんなんだ。

でもフジヤマはさっき、『演じてた』って言ったよね……?

自然と笑うことが出来ていたけれど……でも、『演じてた』……?


< 130 / 182 >

この作品をシェア

pagetop