チャット恋愛注意報!!(旧)
『……ユキが居なくなったあとは、ずっとフジヤマを演じてた』
私の考えていることを知ってか知らずか、フジヤマは言う。
『ユキの言葉があったから。ってのは勿論だけど、それだけじゃなくて……俺は、さ、【フジヤマ】以外を知らないんだよ。
フジヤマならすぐに面白い返しが浮かぶ。 フジヤマならみんなを笑わすことが出来る。
沢口 晋也じゃなくて、フジヤマなら……。 そんな風に思ってた俺は、ずっとフジヤマを演じてきてた』
……私と、似ている。
フジヤマは、サクラを演じてきていた私……三原 桜子とそっくりだ。
理由は違うとしても、それでも私は、フジヤマの言葉に自分を重ねていた。
『……最初は自然と笑っていたはずなのに、今は演じてる。 それを知ったら、やっぱりアイツ、悲しむよな……』
苦笑気味に笑ってるだろうフジヤマ。
そんな彼に、小さく言う。
「フジヤマはフジヤマだよ」