チャット恋愛注意報!!(旧)
「な、なんで電話のことっ……」
「さっき廊下通った時に聞こえた」
「うっ……」
「言っとくけど、俺にそういう趣味はないからね?」
「……すみません……」
うぅ、ニコッと笑う顔が怖い……。
ごめんなさい。 本当にごめんなさい……。
「で、サクラはトイレ?」
「あ、うんっ」
「そっか。 俺は水を飲みに下へ。 そのあとまたユージの部屋」
「……ユージもまだ起きてる?」
「いや、もう寝てるよ。 ユージの隣で寝たい? ていうかアイツを襲う?」
「えっ……!?」
お、襲うって……そんなことするわけっ……!!
「冗談だよ?」
「うっ……し、知ってますからっ……!!」
いつもみたいに言うYUKIに、私の顔は赤くなる。
YUKIの『冗談』に、またやられてしまった……。
あぁもう、私の眠気を返せっ。 変な言葉のせいで妙に目が冴えてしまったじゃないかっ。
「……それで? YUKIはまだ寝ないの?」
「そろそろ寝る」
「ユージの部屋で? でも別の部屋、用意してもらったんじゃなかったっけ……」
「そうなんだけど、ユージと色々話せるいい機会だからと思って、さっき布団運んだんだ。
まぁ、話してる途中でアイツは寝ちゃったんだけどね」
あ、そっか。
布団を運ぶ時に廊下を通って、その時に私とフジヤマの電話を聞いたんだ。
布団運んでたなんて、全然気付かなかったなぁ……。
「あの……ユージも、私とフジヤマの電話聞いてた……?」
「ううん、俺だけ。 ユージに聞かれちゃマズい話でもしてた?」
「そういうわけじゃないけど……」
「あ、わかった。 変な趣味の持ち主だって思われたらどうしようって考えてるだろ?」
「……まぁ、はい……」
フジヤマとの電話は、チャットのノリで話してたわけだけど……ユージがそれを聞いて本気にしてたらどうしようか。と、心配になってしまった。
まぁ、聞かれてなかったみたいだからよかったけどね。
と、その時。 YUKIが、クスッと笑って私の頭を撫でた。
「大丈夫、サクラは元々変な子だから」
「……それフォローになってないし。 ていうか貶してるよね」
「誉め言葉だよ」
……元々変な子。 それが誉め言葉って、んなわけないでしょうに。