チャット恋愛注意報!!(旧)
「い、今の……」
「……サクラも、聞いたよね……?」
「……うん、聞いた」
ユージと顔を見合わせたあと、勢いよくドアを開く。
何かがあった。 聞き間違えじゃなければ、それは『誰かが誰かを叩く音』だ。
……しかも、廊下まで音が聞こえてくるほどの強烈なもの。
ベッドに近づいた私たちが見たのは……、
「あ……」
……ベッドの上で上半身を起こし、フジヤマに平手打ちをかましたあとの状態で固まってるユキさん。
そして、叩かれた勢いで弾かれたらしいサングラスを拾うフジヤマ。
……フジヤマのほっぺたは、まるで漫画か何かのように真っ赤になっていた。
「フジヤマ、大丈夫?」
「おう、サングラスだけじゃなくて一瞬意識も飛んだぜ」
苦笑するユージの声に反応したフジヤマは、何事もなかったかのように答える。
でも、ユージの声に反応したのはフジヤマだけじゃなかった。
「え、フジヤマ……!?」
ようやく動いたユキさんがフジヤマを見つめ、そのあとに私たちにも視線を向けた。
「……フジヤマに、サクラにユージ……?」
その声に頷いた時、飲み物を持ったYUKIが戻ってきた。
「何事?」