チャット恋愛注意報!!(旧)
「見ての通り、平手打ちされた」
サングラスをかけ直したフジヤマと、『あぁ……』と声を漏らすYUKI。
「ユキ姉。 話すのが遅れたけど、フジヤマとサクラとユージを連れてきた」
「……シュウ、もっと早く連絡してよ……」
「ごめん、急だったから」
「うぅ……」
見る見るうちに、ユキさんの顔が赤くなった。
耳まで真っ赤になった状態で、ユキさんはチラチラとフジヤマを見ている。
「……だって、目を開けたら知らない人に手を握られてて……そのぉ……変質者だと、思ってさ……」
「おいコラ、ユキ。 面会許可証をぶら下げた変質者がどこに居るんだよ」
「……ごめんなさい」
ユキさんは小さい体をますます小さくしたけれど、真っ直ぐにフジヤマを見つめ続けている。
フジヤマもまた、サングラスをかけた状態だけど……真っ直ぐにユキさんを見ているようだった。
「……あ、どうも初めまして、フジヤマこと沢口 晋也です」
「あ……雪村 由紀子です……」
……何故今頃に挨拶を……。
あ、でも私たちも名乗った方がいいのかな? 一応『初対面』だし……。
と思って声を出そうとしたけれど、二人が相変わらず見つめ合ってる状態だから、声をかけるのをやめた。
隣に居たユージも、YUKIも。 二人のことをただ真っ直ぐに見つめている。
「あのさぁ由紀子」
「……はい」
「『雪村』辞めて、『沢口』になりなよ」