チャット恋愛注意報!!(旧)
その後。
ユキさんと別れた私たちは、駅に向かっていた。
楽しかった。 来てよかった。 ユキさんに会うことが出来てよかった。
そういった言葉が、会話の中で何度も繰り返された。
途中のコンビニで写真を現像し、それぞれ1枚ずつ持つ。
そして『さぁ駅へ』と、再度歩き出した時だった。
「なぁ、“雪村”」
フジヤマがYUKIのことをそう呼び、真っ直ぐに見つめた。
「なんですか、“沢口さん”」
YUKIもまた、フジヤマを『沢口さん』と呼び……フジヤマに視線を合わせた。
「家族に挨拶したいんだけど、これから雪村の家に行っていい?」
「もちろんです。 ていうか俺はそのつもりでいましたよ? もう家にも連絡済みですし」
「そっか。 さすが雪村だ」
……え。
フジヤマ、今からYUKIの家に……?
「あ、あのっ……フジヤマ、一緒に帰るんじゃないの……?」
「いや、俺は残るよ。 やっぱりさぁ、来たからには親にちゃんと挨拶したいじゃん?
ユキとのこと色々話して……それでちゃんと認めてもらわなきゃいけないと思う。
あんまり時間を無駄にしたくないんだよ。 だから、ごめんなサクラ」
「……そっか」
時間を無駄にしたくない、か……。
ユキさんは元気そうに見えたけど、でも、いつ倒れてしまうかわからない。
だからフジヤマは、時間を無駄にしたくないんだね……。