チャット恋愛注意報!!(旧)


………

……




その後、私たちはそれぞれの電車に乗り、帰路についた。

ユージの家への突然のお泊まりや、急な長距離移動などで、さすがに疲れてしまった。

帰宅後はユージと簡単にメールをするだけで、すぐに就寝。



フジヤマがYUKIの家に泊まったというメールを見たのは、翌日の朝だった。



ユキさんの病気のこと、結婚のこと、これからの生活のこと……フジヤマは、ご両親と色々な話をしたらしい。

ご両親は最初、結婚に反対だったみたい。


『病気は絶対に治らないし、いつ命が尽きるかもわからない』

『大変なことばかりで迷惑がかかるだけ』

『自ら苦労を背負うことはない。 娘のことは忘れて幸せな人生を送ってほしい』


フジヤマはご両親にそう言われたようだ。

だけど私にメールを送ってきた彼は、笑っていた。




【なんつードラマ展開w 俺主人公ww】




……うん、いつも通りですね。
むしろフジヤマは、そう言ってこそのフジヤマだ。


その後フジヤマは、ご両親に言ったらしい。


『いつ命が尽きるかわからないからこそ一緒に居たいんです』

『迷惑をかけずに生きてる人間なんて居ないし、俺も同じくらい迷惑をかけると思います』

『俺の幸せは俺自身の手で掴み取ります。 今1番の幸せはユキがそばに居てくれることです』




フジヤマのその言葉を私に話してくれたのは、そばで聞いてたらしいYUKIだった。




【内心フジヤマは『俺カッコイイw』とか思ってたはず(笑)
でもうちの親、何故か泣いて『よろしく頼む』とか言っちゃった。】




……ということで。

結婚に反対だったご両親から許しを頂き、その日のうちに婚姻届を役所に提出。

フジヤマとユキさんは、晴れて夫婦となった。




……早っ。 早いよフジヤマっ!!

そりゃあ早いに越したことはないけどさ、ユキさんとリアルで会ったその日に結婚って、さすがに早すぎでしょうに。


……ていうか、ユキさんのご両親には了承を得たけれど、フジヤマのご両親にはちゃんと話したんだろうか?

まさか何も言わずに婚姻届を出してしまったんじゃなかろうか……。


と心配になって聞いた私に、フジヤマはメールで教えてくれた。







【そんなもん、事後報告に決まってるだろ?ww】




……うわー。

それでいいのかフジヤマ。


できちゃった婚ならぬ、入籍しちゃいました婚ですか。

いや、ちょっと違うか……。


まぁ、フジヤマらしいっちゃらしい気がするけどね……。


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