チャット恋愛注意報!!(旧)
そんなことを思いながら苦笑する私の元に、フジヤマから電話がかかってきた。
「もしもし?」
『おうサクラ、誕生日おめでとー』
「……遅っ」
『忘れてたんだもん、しょうがねぇじゃん』
けらけらと、いつもの調子で笑うフジヤマ。
ほんとにもう、この人は……馬鹿でアホで間抜けで、なんて面白い人なんだろうか。
「フジヤマって、ほんっとどこまで言ってもフジヤマだよね」
『おう、サンキュー』
「誉めてないしっ」
『はははっ、でも好きだろ? 俺に惚れてるんだろ?』
「まぁ、友達としてなら好きだね」
『残念っ、俺 既婚者!! 独身のイケメンがまた一人減りましたー』
「いや、あの……うん、まぁそうですね……」
いつも以上にテンション高いなぁ……。
ていうか酔っぱらってる?
「フジヤマ、まだYUKIの家? お酒飲んでるの?」
『おう、クソメガネの部屋で飲んだくれてたぜい。
ちなみにアイツは母親とユキの病院に行った。 俺酒臭いからお留守番。 ビバ、やりたい放題っ!!』
……あ、やっぱり飲んでんだ。
そりゃあいつも以上に変なわけだわ。
「あんまり変なことしちゃダメだからね?
……ねぇフジヤマ、仕事はいいの? そう何日も休めないでしょ? なのにまだYUKIのお家って……」
『大丈夫だよ、明日まで休みだから』
「へ? そうなの?」
『盆の時に出突っ張りだったんだもん、遅めの盆休みな。 どうだ、羨ましいだろう?』
「……いや、私8月中はずっと休みだけどね」
……そっか。 お休みだったんだ。
だからこそユキさんのところにも行けたわけか。
タイミングバッチリ。
凄いなぁ……神様の思し召し?
『まぁ、もうすぐ仕事辞めるんだけどねー』
「え?」
……仕事、辞めちゃうの?
『雪村家に住むんだよ。 俺マスオさんなっ』
……えぇ!? フジヤマが雪村家に!?