チャット恋愛注意報!!(旧)
「な、なんでみんながここにっ……」
パニック。 もうね、パニクりまくり。
あり得ない……なんでみんなが、私の家に……。
「早朝にユージから連絡があったんだよ。 『サクラがピンチ』ってな」
「……ユージから……?」
「おうよ。 で、長時間かけてここまで来たってわけ。 お礼は麦茶でいいぞい」
「あ……と、とりあえず中へどうぞっ……!!」
8月も終わりだけれど、まだまだ暑さは厳しい。
そんな場所にユキさんを立たせたままには行かない。 その思いで、みんなを家の中へと迎え入れた。
「お、ユージ」
フジヤマのその声で、階段を下りてきているユージに気付く。
「ユージ、これって……あの、どういうこと……?」
混乱したまま、ユージを見つめる。
まったくもって、意味がわからないんですが……。
「夏休み最後の日だし、みんなで集まりたいなと思ってね。
ほんとはワイワイと楽しく過ごすつもりだったけど、まずは宿題を終わらせようか。
まぁ、教えるのは俺じゃなくてYUKIだけど」
ニコッと笑ったユージを見たあと、クルリと振り返ってYUKIを見る。
……YUKIは、クスッと笑って私の頭を撫で、そのあとに耳元で小さく言った。
「俺たちが来るまでの間、ユージと二人きりだったんだろう? 当然、キスはしたよね?」
「なっ……そ、そんなわけっ……」
「あれ? まだしてないんだ? へぇ……もしかしてファーストキスもまだ?
じゃあ、家庭教師代として俺が頂いちゃおうか」
「ちょっ……YUKI、何 馬鹿なこと言ってるんですかっ!!」
ボボボッと顔が赤くなる私をよそに、YUKIは相変わらずの笑顔。
そして一言……、
「冗談だよ?」
……いつも通りの言葉を残して、YUKIは私から離れた。