チャット恋愛注意報!!(旧)


「あ……そういえば、フジヤマってもう一緒に住んでるんだっけ?」

「ううん、まだ。 でも仕事は昨日付けで退職して、9月半ばにはこっちで仕事するって。
だから多分、明日か明後日には引っ越しが完了するかも」

「そっか。 手伝いに行けなくてごめんね?」




そう言った私に、YUKIは首を横に振って笑った。




「大丈夫、俺も手伝わない。 学校行かなくちゃいけないからね」

「あ、そっか、そうだよね。 んー……なんか、YUKIが高3なのがいまだに信じられないよ。
毎日ちゃんと制服着て学校行って授業受けてるんだよね?」

「そりゃあ着るよ。 毎日学ランで授業だよ」

「学ランなんだ? 似合いそうっ」




学ラン黒髪メガネのクールな男子。 うわー、生徒会長タイプだ。

絶対モテる。 ていうか看護師さんにモテてたし学校でも絶対モテてる!!




「いいなー、YUKIみたいな人が居たら、もう女子は絶対キュンキュンだよー」

「なんだそりゃ。 ていうか俺、学校だとコンタクトだし茶髪にピアスなんですが」

「いいなー、私も同じ学校に……って、えぇ!? 茶髪にピアス!?」

「アクセサリーもジャラジャラつけますけど」




……ガーン。

優等生なイメージが……私の黒髪メガネが……って、別に私のじゃないか……。

でも、え……実はヤンキーさんだったんですか。

今のこの姿は仮の姿で、学校に行ったら凶悪な不良さん?




「……いや、それはそれで似合いそうな気が……」




メガネじゃなくてコンタクト。

黒髪じゃなくて茶髪。 で、耳にはピアス。


……ちょっとワルの方が、実際はモテるかも?








「いや、嘘だから。 なんでヤンキーな俺を想像してるんだ」

「……へ?」


「俺はこのまま俺ですけど?」




……あ、ですよね。

YUKIはそのまま、YUKIだよね……。


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