チャット恋愛注意報!!(旧)


………

……




その後、無事に課題を終えた私は、YUKIと共に1階へと向かった。


あれ、なんか凄く静か……。



リビングに通じるドアをそっと開けると……、




「……あ、寝てる」




……ソファーに並んで座ったフジヤマとユキさんが、肩を寄せ合いながら眠ってる。

ユージはその近くの床に座って、携帯をいじっていたようだ。




「お疲れさま」




ニコッと笑ったユージが、私たちが勉強してる時のことを話してくれた。

1階に下りた3人は、最初はガヤガヤと賑やかにやっていたらしい。

フジヤマはテレビをつけたり部屋を漁ろうとしたりと、やりたい放題。

ユキさんはそんなフジヤマを止めていたけれど、途中からは何故かノリノリで、一緒に部屋を見て回っていたのだとか。


で、ユージが『おとなしくしてて』と、二人をソファーへと座らせてテレビ観賞。

そして気がついたら、二人は寝てしまっていたらしい。

テレビを消してもまったく気付かずに、今に至るようだ。




「朝早くから準備して、来てくれたんだもんね……なんか、無理させちゃったな……」

「二人は楽しそうにやってたから、気にすることないよ。 むしろ俺の方が疲れた」

「ごめんね、ユージ。 色々ありがとう」




そう言ったあと、タオルケットを持ってきてフジヤマとユキさんに掛ける。

それでも起きないから、やっぱりかなり疲れが溜まっていたみたい。






「……ユキさん、大丈夫かな。 このせいで、悪化したりしない……?」




そっとYUKIに問うと、YUKIは『大丈夫』と言って笑った。




「自分で騒いだ分、自分でちゃんとこうやって休憩してるし、問題ないよ」

「それなら、いいんだけど……」

「大丈夫、覚悟は出来てるから」

「うぅ……私は覚悟なんて出来てないもん……」




もしここに来たせいでユキさんが体調を崩したら……と、不安ばかりが増していく。




「サクラ。心配しすぎはよくないよ? 悪い方ばかりを考えていると、そっちに引っ張られて気持ちは沈み込んでしまうから」




ニコッと笑ったユージに、YUKIも頷く。

……そっか。 そう、だよね……。


フジヤマはいつだって明るいし、ユキさんも楽しそうに笑っていた。

YUKIだって笑顔だし、ユージも優しく笑ってる。

私も、笑顔で過ごしていかなきゃ。






「ユージ、ありがとね。 私、いつも色々考えてしまって……今まで、ダメな方ばかりを思っていたのかもしれない」

「これからは前向きにね?」

「ん……頑張る」




前へ進む。 私らしく、前へ……。









「で、二人の関係は進まないの?」

「へっ……?」




クスッと笑ったYUKIが、私とユージを見ていた。


< 168 / 182 >

この作品をシェア

pagetop