チャット恋愛注意報!!(旧)
「俺だって似たようなもんだよ。 根暗だし、スゲー人見知りするし。
友達だって多くない。 ていうか、チャットの仲間だけが真の友達って感じ。
それでも俺は俺だよ。 チャットでもリアルでも、俺は俺」
「ユージ……」
「別にさ、地味とか人見知りとか気にすることないよ? だって俺は、全部ひっくるめてサクラが好きだから」
……好き。
それは恋愛感情としての『好き』ではなく、友達としての『好き』だと思う。
だけどそれでも、ユージは私のことを好きだと言ってくれた。
それがどうしようもなく嬉しくて、涙が込み上げてくる。
「……私は、私……」
「うん、サクラはサクラ、俺は俺。 それでいいんだよ」
「……うん」
優しく頭を撫でてくれるユージ。
彼の顔を見つめ、私は小さく小さく笑みを浮かべた。
そんな私に、ユージも笑う。
チャットの時に想像していた笑顔よりも、ずっとずっと優しい顔で笑っている。
「深く考えることはない。 みんなと一緒の時間が楽しい。それでいいんだ」
「……うんっ」
ユージの言葉が、私の心を温めていく。
メールに添付された画像を見た時よりも、ずっとずっと心が温かい。
ユージがそばに居てくれると、気持ちが落ち着く。
今 私は、とても幸せを感じている。
「くそっ、いいこと言うなぁーっ」
運転席のフジヤマが、ユージの髪をグシャグシャッとして笑った。