チャット恋愛注意報!!(旧)
「しかしまぁ、こうやって見ると……リアル高校生は、ピチピチだのぉ」
どこのお爺さんだ。という感じで、しみじみと私を見るフジヤマ。
隣に居るユージが『爺さんかよっ』と突っ込んでるのを聞き、『同じことを考えてるっ!!』と密かに笑う。
まぁ、誰が見てもそう思っただろうけどね。
「でもマジで、サクラは肌が綺麗だな」
「……へっ?」
「スッピンが綺麗な女、スゲー好き」
そう言いながら、フジヤマが私のほっぺたを撫でる。
その顔は真っ直ぐに私を見つめ……口元には、僅かに笑みを浮かべていた。
う、わ……男の人に、触られちゃってる……。
突然のことに、固まって動けなくなってしまった私。
ドキン、ドキン、と鼓動が速まっていく。
「なに気安く触ってんだよ」
ゴンッと音がしたのは、その直後だった。
助手席に居たYUKIがフジヤマの頭をグーで殴った音だ。と気付いたのはその1秒後。
「いって……殴ることねぇだろっ」
「じゃあ初めから触るな」
「いいじゃん、ピチピチに触れる機会なんか滅多にねぇんだからっ」
「黙れ」
頭を押さえるフジヤマと、怒った顔のYUKI。
二人が言い合いをしてる間に、今度はユージが私のほっぺたに触れた。
「サクラは、化粧とかしないんだね」
「あ、あの……そういうの、よくわからなくて……」
「でも、確かに綺麗だ」
「……っ……」
ボボボッと顔が赤くなる。
うぅ……フジヤマもユージも、『綺麗』『綺麗』って言ってるけど……そんなこと、ないと思うよ……?
むしろ、自分ではボロボロだと思ってるのに……。
「お前も、気安く触んなって」
「え? あ、うん……」
フジヤマにした時よりもずいぶん弱く、ユージの頭を叩くYUKI。
『まったく……』と言いながら、YUKIは私を見た。
「気安く触らせんな」
「うっ……は、はいっ……」
メガネの奥から冷たい瞳が睨みつけている。
それにビクビクしながら、私は何度も何度も頷いた。